街を変える本屋さん
前回に続いて、
「この本屋さんに来た時だけは、紙の本を思う存分買ってよし!(そして本棚に並べてよし!)」
…の本屋さんシリーズ(笑)第二弾。
②誠光社
京都の河原町丸太町、というエリアにあります。御所東って感じでしょうか。
前回の恵文社から電車2つ乗り継いで少し歩きます。
実はこの誠光社、
あの恵文社一条寺店の元店長
であった、堀部さんという方が独立され、経営されている本屋さんです。
当然、本のセレクトが面白いはず。
というか、ご自身の本屋さんを経営されるようになったのだから、恵文社店長時代よりもさらに堀部さん独自のセレクトになっているはずなのです。
そして、その通りでした。
小さな間口のこじんまりした本屋さん、誠光社。
ほとんど耳にしたことのない(大手書店には決して平積みされていない)、でも好奇心をそそられる本が入り口付近に所狭しと平積みされています。
本棚には、堀部さん独自目線で選ばれた本が、きちんと並べられています。
なんだこれ?おもしろそ~!
片っ端から読んでいきたい。
そんなはやる気持ちを押さえながら、本を1冊ずつ丁寧に見ていきます。
土日などに訪れると、10秒に1回ぐらい入り口のドアが開閉しているのでは?と思うほど、途切れることなく人が入ってきます。
初めて行ったときは、お店の広さに対する人口密度の高さに本当に驚きました。通路をすれ違うのもままならず、小声ですみません、の連続でした。
でもそんなことは誰も気にせず、ただただ、夢中になって皆、本棚を見つめているのです。
店内は、とても静かです。
住宅街の裏通りのこの本屋さんに、いったいどこからこんなに人がわいてくるんだろう?
本好きは世の中にこんなにたくさんいて、堀部さんのセレクト本を求めてこれだけの人がここへやってくるんだ。
そう思うと、『本屋離れ』と嘆かれている今、そうではない場所もあるんだ、と思って少しほっとします。
お店の奥が、ちょっとしたギャラリースペースとレジで、いつも堀部さんがレジに立たれています。
一度平日にうかがったとき、珍しくお客さんが私とあと2人ということがあり、はじめて、レジにいらっしゃった堀部さんとお話しさせていただいたことがあります。
この日購入した本の中に、たまたま堀部さんの書かれた本があったので、サインをしてもらおうと思ったのがきっかけでした(その節はありがとうございました)。
一度、本好き(京都好き)の父親に誠光社を紹介したことがあります。
父は、
「お店は小さいし、本の数も多くはないけど、置いてある本は面白い本ばっかり。とにかくセレクトがいい。ここを気に入った!」と、大絶賛し、一度で誠光社が大好きになったようでした。その後も足しげく通っています。
ところで、誠光社は本以外にも面白いことがあります。
◆レジ前のギャラリースペース
私がはじめてうかがったときは、イラストレーターの得地直美さんの原画展と本の販売をご本人がされていました。本の出版は、誠光社。作者ご本人とやり取りできるスペースって、楽しいですね。行くたびに、展示は変わっています。時々、このスペースでイベントなどもされているようです。
そして、もう一つおすすめは
◆地図
誠光社にもし行かれたら、
かもがわご近所マップ、
という地図を買うことをお勧めします。
実はこのエリアは、個人経営の面白いお店が密集しています。
誠光社さんも加わって、ご近所の方が手づくりされた地図は、楽しくてわかりやすいです。この地図を見つけてから、私は河原町丸太町が大好きになりました。
ちなみに、誠光社近くのおすすめカフェ。
誠光社のお隣に、
・アイタルガボン
というイタリアンカフェがあります。
お隣ということもあり、誠光社帰りの方が本を読んでいる率が高いお店です。店主の本がお店の本棚に並んでいて、自由に読むことができます。若いご夫婦が経営されている、奥に細長いお店です。
もう一つは、少し北に歩きますが、
・かもがわカフェ
食事も、コーヒーもおいしいです。こちらも、自由に読んでいいお店の本棚に本がぎっしりあります。ゆっくりできます。
♪♪♪
恵文社も誠光社も、その魅力は本のセレクトだけにとどまらない、広い意味で愛される『街の本屋さん』なのではないでしょうか。
そしてこの2店舗は、どこか『似て』います。
それでは、また!