ゆるミニマリストの仕事と暮らし

日常に垣間見える、ゆるミニマリストの仕事と暮らし

ミニマリスト鴨長明からの伝言

こんにちは、madoitaです。

 

日々発行されている優れたビジネス成功書や自己啓発本

女性の生活や人生を扱ったものをよく読んでいましたが、最近は男性向けの本もよく読むようになり、単純に興味深く、また自分に当てはまることもあったりして選り好みせずに本を手に取ることは大切だなぁと思います。

 

◆ビジネス成功書も自己啓発本も、元は古典?

ところでビジネス本を読んでいくうえで気が付いたのは、何十年何百年単位の昔の知恵、というか教えが元になっているものが多くないですか?ということです。

 

バビロン大富豪の教え、しかり。7つの習慣しかり。

 

ですよね?

 

もちろん、内容は現代の私たちに適応する内容になっています。

しかしその素晴らしい教えの根本は昔の人々の知恵にある、ということなのではないでしょうか?

 

つまり、何十年たっても何百年たっても、人々が悩んだり望んだりする内容はあまり変わっていないという事実。

 

そう思うと先人に親しみを覚え、また人間というのは時代が変わっても根本的な部分は変わらないのだなぁという安心する気持ちと同時に、「やれやれ、いつまでも同じことで悩んでいるんだなぁ…」とクスッと笑ってしまう部分があります。

 

では、自己啓発本はどうでしょう?

 

ぐっとさかのぼって、平安時代鎌倉時代あたりだとどうでしょう。

 

自己啓発の元祖ということで考えると、近いのはいわゆる『随筆』でしょうか。

 

◆『方丈記』にみる、現代に通じる悩み事解決

今、鴨長明の『方丈記』を読んでいます。

“行く川のながれは絶えずして、しかももとの水にあらず。”

というあれです。

 

 

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方丈の庵 2017年秋に撮影

 

 

清少納言枕草子』、兼好法師の『徒然草』と並び日本三大随筆の一つです。

枕草子徒然草もいずれ読みたいと思います。日本人なら“なんとなく”知っている作品ですが、世の中がある意味大きな転換期を迎えている今、あえて古典にどっぷり浸ってみたい気もします。)

 

話を戻して。

 

鴨長明鎌倉時代およそ800年前のミニマリストです。

 

最終的に出家したということがあるにしても、晩年の長明は4畳半1間の家に住み、その家はすぐに解体して持ち運びができたそうです。

 

その4畳半で書かれた方丈記は、簡単に言えば日本人の無常観を表した作品です。

 

無常観、つまり世のすべてのものは常に移り変わり、いつまでも同じものは無い、という思想です。

 

何だか身に覚えがありませんか?

 

今私たちはコロナ禍の真っ只中です。

これでもかというほど、世の中は変わりつつあります。

見えない何かに、強く強く押されるがごとく、です。

 

混乱と冷静を、個人個人が繰り返しながら過ごす日々になりました。

 

そんな今、世の中のすべてのものは常に移り変わり、いつまでも同じものは無い、という長明の言葉は、コロナ禍の渦中にいる私たちに安堵感を与える気がするのです。

 

◆800年前のミニマリストからの伝言

世の中が変わらないと思っているから、目の前に急に変化がやってきたとき動揺し、落ち込む。でも世の中は変わるもの、そんなもの~!と常日頃から思えていたら、心の準備ができていない自分よりは、精神的に安定する自分でいられると思うのです。

 

長明の若いころは震災が多かったようです。常に“変わること”と隣り合わせだったことも、晩年の長明に“行く川の流れは…”という言葉を残させたのかも知れません。

 

◆現代書に疲れたら

ビジネス成功書、自己啓発本

私の場合、好奇心からついつい読みすぎてしまう時期がありますが、ときどき好奇心にも疲れが出る時があるのかも知れません。

 

古典を読んでみたい、と思ったのも単にそんな心の現れかも知れません。

 

ですが、おそらく時代をさかのぼればさかのぼるほど、書かれる書物というのはシンプルに研ぎ澄まされたものになっていくような気がします。

 

時代のさかのぼりが、コロナ禍を乗り切るカギの一つになってくれたらいいなと思います。

 

それでは、また!

 

おまけ:なぜ私が方丈記を最初に選んだのか?実は鴨長明は私の大好きな京都の一の宮神社である賀茂御親神社(下鴨神社)の宮司の子として生まれています。今でも下鴨神社の敷地である糺の森の河合神社という摂社に行くと、鴨長明が晩年を過ごしたといわれる“方丈の庵”があり見ることができます。すぐそばを流れる賀茂川の音を聞いて育ったのかも知れませんね。